江戸友禅絵師「彩鬼」作品紹介
彩鬼(さいき)
本名 なすさちお
絵師、友禅作家
1947年岩手県大東町に生まれ、高校卒業後荒井照太郎に師事。
秩父宮妃殿下の振り袖や訪問着をはじめ、三井・岩崎家など
日本を代表する人々の着物を手掛ける。
28才の時独立。
高田馬場に『友禅工房那須』を設け、ホテル・オークラなどで展示会を開催しトップレディーの着物を制作、一流を目指し活躍したが奇しくも途中闘病生活に強いられた。
その後、一流とか誰それの着物を作ったかとではなく、自分が楽しみながら
創作することの大切さを知る。
2007年2月:国際交流文化部マンチェスター美術大学客員教授に就任し
現地イギリスにて講演
2008年1月:三井ガーデンホテル副支配人研修会にて講演
テーマ「リベラルアーツと人間陶冶」
上記額裏の題名は雲影濤聲(ふううんとうしょう)(雲の影波の音)で
意味は「風が吹き雲が流れ波がさわぐ」です。
また、個々の説明が次にあります。
松
室町時代のリアリズム、優美の風情
孤高烈風を凌(しの)ぎ快事自ずから守り、清廉潔白
日本の代表で松は儒教では節操の象徴。
儒教では不良長寿の象徴。
桃山時代 中国歳竇(さいとう)三反図より松竹梅
松は力強く、竹はつよく、梅は香りの花、
益荒男振りを賞して巨松に託す 雄々しい心情。
墓地に松を植え歳の神 宗教儀礼民族宗教を代表する木 国松
牡丹
「富貴草」または皇(すべらぎ)の花 富相華唐草紋
中国盛唐貴族文化の象徴 楊貴妃の花 艶治(えんや)を競い富貴を象徴
鎌倉後期 禅文化の摂取。
獅子
玉取獅子となっており 牡丹は獅子を華やかに彩る
素材 鎌倉時代後期に富貴な気風と 大者の風格を示す
獅子と牡丹、龍と翠、竹と雀、鳳凰に桐、桃山時代の象徴。
男物羽織の額裏 「連獅子」